古物商許可を取得しようとするとき、
- 個人と法人のどちらで申請すればいい?
- 副業なら個人で取得しても大丈夫?
- 法人で取得すると必要書類は増える?
- 個人で取得してから法人化した場合、許可はそのまま使える?
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
古物商許可は、個人でも法人でも取得することができます。
ただし、「個人で取得した古物商許可」と「法人で取得した古物商許可」は別のものです。
特に注意したいのが、個人事業として古物商許可を取得した後に法人化するケースです。
個人で取得した許可を、そのまま設立した法人へ引き継ぐことはできません。法人として古物営業を行うのであれば、原則として法人名義で改めて古物商許可を取得する必要があります。
この記事では、個人申請と法人申請の違い、必要書類、どちらで取得するべきか、法人化するときの注意点まで分かりやすく解説します。
目次
古物商許可は個人と法人のどちらでも取得できる
古物商許可は、個人でも法人でも申請することができます。
例えば、会社員が副業で中古品のせどりを始める場合は、個人として古物商許可を取得することができます。
一方、株式会社や合同会社などの法人として中古品販売を行う場合は、その法人を申請者として古物商許可を取得します。
どちらを選ぶかは、「規模が大きいか小さいか」だけではなく、実際に誰が古物営業を行うのかを基準に考えることが重要です。
個人で営業するなら個人名義で申請
個人事業として中古品販売やせどりを行う場合は、基本的に本人を申請者として古物商許可を取得します。
例えば、
- 会社員が副業で中古品販売を始める
- 個人事業主としてリサイクルショップを開業する
- 個人でメルカリやヤフオクを使って中古品を販売する
- 個人でAmazonやeBayを利用して中古品を販売する
といったケースです。
会社員・副業で古物商許可を取得する場合については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
古物商許可は会社員・副業でも取得できる?会社にバレる?注意点も解説
法人として営業するなら法人名義で申請
株式会社や合同会社などが古物営業を行う場合は、法人を申請者として古物商許可を取得します。
代表者個人が古物商許可を持っていたとしても、その許可だけで法人が古物営業を行えるわけではありません。
個人と法人は別の申請主体として考える必要があります。
個人申請と法人申請の主な違い
| 項目 | 個人申請 | 法人申請 |
|---|---|---|
| 許可を取得する人 | 個人本人 | 法人 |
| 役員関係の書類 | 不要 | 必要 |
| 法人の登記事項証明書 | 不要 | 必要 |
| 定款 | 不要 | 必要 |
| 管理者 | 営業所ごとに必要 | 営業所ごとに必要 |
| 法人化した場合 | 個人許可を法人へ引継ぎ不可 | 法人として新規申請が必要 |
法人申請では、法人そのものに関する書類だけでなく、役員に関する書類も必要になるため、一般的に個人申請より準備する書類が多くなります。
申請手数料は個人と法人で変わる?
古物商許可の申請手数料は、個人だから安く、法人だから高くなるというものではありません。
新規許可申請では、警察署へ納付する申請手数料として19,000円が必要です。
ただし、法人の場合は役員分の証明書などを準備する必要があるため、書類取得にかかる費用や手間は個人申請より増える場合があります。
古物商許可にかかる費用については、こちらの記事も参考にしてください。
大阪で古物商許可を取得する費用はいくら?申請手数料・行政書士費用を解説
個人申請で必要になる主な書類
個人で古物商許可を申請する場合、一般的には次のような書類を準備します。
- 古物商許可申請書
- 住民票
- 市区町村が発行する身分証明書
- 略歴書
- 誓約書
- 管理者に関する書類
- インターネット販売を行う場合のURL関係資料
申請内容や営業所、販売方法によって追加資料を求められる場合があります。
法人申請で必要になる主な書類
法人で申請する場合は、個人申請とは異なり、法人や役員に関する書類も必要になります。
主な書類として、
- 古物商許可申請書
- 法人の登記事項証明書
- 定款
- 役員の住民票
- 役員の身分証明書
- 役員の略歴書
- 役員の誓約書
- 管理者に関する必要書類
- インターネット販売を行う場合のURL関係資料
などがあります。
役員が複数いる法人では、対象となる役員それぞれについて書類を準備する必要があるため、個人申請より書類の準備に時間がかかることがあります。
法人申請では定款の事業目的にも注意
法人で古物商許可を申請する場合は、定款や登記事項証明書の事業目的についても事前に確認しておきましょう。
古物営業を行うことが事業目的から確認できない場合は、管轄警察署から確認を受けることがあります。
申請直前になって問題が判明すると手続きに時間がかかる可能性があるため、法人で申請する場合は早めに確認しておくことをおすすめします。
個人で古物商許可を取得した後に法人化するとどうなる?
個人事業として古物商許可を取得した後、事業が大きくなって法人化するケースがあります。
ここで非常に重要なのが、個人名義の古物商許可を設立した法人へそのまま変更することはできないという点です。
個人と法人は別の申請主体であるため、法人として古物営業を行うのであれば、法人名義で新たに古物商許可を取得する必要があります。
「個人から法人への名義変更」ではない
例えば、
- 個人で古物商許可を取得
- 中古品販売事業を開始
- 事業拡大により株式会社を設立
- 株式会社として中古品販売を継続
という場合、④の法人による古物営業には法人名義の許可が必要です。
単純な「名義変更」で個人許可を法人許可へ切り替える手続きではありません。
将来的に法人化することが決まっている場合は、どのタイミングで古物商許可を取得するかについても検討しておくとよいでしょう。
代表者が個人の古物商許可を持っていても法人は別
法人の代表取締役が個人名義の古物商許可を持っていたとしても、その個人許可を使って法人名義で古物営業を行うことはできません。
例えば、
- 代表者個人 → 古物商許可あり
- 株式会社 → 古物商許可なし
という状態で、株式会社が中古品を仕入れて販売する場合は注意が必要です。
実際に古物営業を行う法人として許可を取得する必要があります。
法人化する場合は許可取得のタイミングにも注意
法人化と同時に中古品販売事業を法人へ移す予定であれば、法人の古物商許可を取得するまでの期間も考慮して準備することが重要です。
古物商許可は申請したその日に取得できるものではありません。
申請から許可まで一定の期間が必要になるため、法人化の日程と古物商許可申請のスケジュールを事前に整理しておきましょう。
申請から許可までの期間については、こちらの記事で詳しく解説しています。
古物商許可申請はどれくらい時間がかかる?申請から許可までの流れを解説
インターネット販売を行う法人はURL届出も確認
法人としてメルカリShops、ヤフオク、eBay、自社ECサイトなどを利用して古物取引を行う場合は、インターネット販売に関するURL届出についても確認しましょう。
法人化に伴ってアカウントやショップの名義を変更する場合は、古物商許可だけでなく販売サイト側の登録情報についても整理する必要があります。
URL届出について詳しくはこちらをご覧ください。
古物商許可のURL届出とは?メルカリShops・ヤフオク・eBayなどネット販売の手続きを解説
古物商許可は個人と法人どちらで取得するべき?
個人と法人のどちらが一律に有利というわけではありません。
現在の事業形態と、今後どのように事業を運営する予定なのかによって判断します。
個人での取得が向いているケース
- 副業として中古品販売を始める
- まずは小規模にせどりを始めたい
- 個人事業主として事業を行う予定
- 当面は法人化する予定がない
このような場合は、個人名義で取得する方法が考えられます。
法人での取得を検討したいケース
- すでに法人を設立している
- 法人として中古品販売を行う
- 会社名義で仕入れ・販売を行う予定
- 近いうちに法人化することが決まっている
このような場合は、法人名義での古物商許可取得を検討しましょう。
個人・法人を決めるときは「誰が営業するのか」が重要
古物商許可について考えるときは、「個人と法人のどちらがお得か」だけで判断するのではなく、実際に古物を仕入れ、販売する主体が誰なのかを整理することが重要です。
個人で営業するのであれば個人、法人として営業するのであれば法人として許可を取得するのが基本です。
将来的な法人化まで含めて判断に迷う場合は、申請前に行政書士などの専門家へ相談する方法もあります。
個人・法人の古物商許可についてよくある質問
個人の古物商許可を法人へ変更できますか?
個人と法人は別の申請主体であるため、個人の古物商許可を法人名義へ単純に変更することはできません。
法人として古物営業を行う場合は、法人名義で新たに古物商許可を取得する必要があります。
法人の代表者が古物商許可を持っていれば会社でも営業できますか?
代表者個人の許可と法人の許可は別です。
法人として古物営業を行うのであれば、法人として古物商許可を取得する必要があります。
法人を設立したばかりでも古物商許可を申請できますか?
必要な法人登記が完了し、申請に必要な書類や営業所などの準備ができていれば申請することができます。
ただし、定款の事業目的なども事前に確認しておきましょう。
法人の役員が複数いる場合、全員の書類が必要ですか?
法人申請では、役員について住民票、身分証明書、略歴書、誓約書などの提出が必要になります。
役員が多い法人ほど準備する書類も増えるため、早めに準備を始めることをおすすめします。
個人と法人で申請手数料は違いますか?
古物商許可の新規申請手数料は19,000円で、個人・法人によって申請手数料そのものが変わるわけではありません。
ただし、法人申請では役員関係書類などが増えるため、証明書の取得費用などは個人申請より多くなる場合があります。
法人化したら個人の古物商許可はどうすればいいですか?
法人化後に個人として古物営業を行わなくなる場合は、個人許可について必要な手続きを確認する必要があります。
法人の新規許可申請とあわせて、管轄警察署へ確認しておくと安心です。
まとめ|個人と法人では古物商許可は別になる
古物商許可は個人でも法人でも取得できますが、最も重要なのは、個人と法人では許可が別であるという点です。
ポイントを整理すると、
- 個人で古物営業をする → 個人名義で取得
- 法人で古物営業をする → 法人名義で取得
- 個人の許可を法人へそのまま引き継ぐことはできない
- 法人申請では法人・役員関係の書類が増える
- 法人化する予定がある場合は許可取得のタイミングにも注意する
となります。
特に、個人事業としてせどりや中古品販売を始め、将来的に法人化を考えている方は、法人化したときに古物商許可も改めて必要になることを理解しておきましょう。
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