中古ブランド品、ゲーム機、スマートフォン、カメラなどを宅配便で送ってもらい、査定して買い取る「宅配買取」。
店舗を持たずに全国から商品を集められるため、宅配買取サービスを始めたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、宅配買取を始める際には、古物商許可の取得だけでなく、取引相手方の本人確認方法にも注意が必要です。
宅配買取では、運転免許証のコピーを送ってもらうだけでは、原則として古物営業法上の本人確認として不十分です。
この記事では、大阪で古物商許可申請をサポートする行政書士が、宅配買取に必要な許可、非対面取引の本人確認方法、営業所やネット上の表示について解説します。
目次
宅配買取に古物商許可は必要?
結論からいうと、中古品を宅配便などで買い取り、再販売する営業を行う場合は、原則として古物商許可が必要です。
例えば、次のような宅配買取サービスが該当します。
- 中古ブランドバッグを郵送してもらい買い取る
- 中古ゲーム機やゲームソフトを宅配便で買い取る
- 中古スマートフォンやパソコンを買い取る
- 中古カメラやレンズを買い取る
- 中古時計やアクセサリーを買い取る
インターネット上で申し込みを受け付け、店舗で直接会わずに取引する場合でも、古物営業法の規制対象になります。
一方、自分が使用していた不用品を宅配買取サービスに売却するだけの一般消費者には、通常、古物商許可は必要ありません。
宅配買取と店舗買取の違い
宅配買取と店舗買取の大きな違いは、取引相手方と直接対面するかどうかです。
| 取引方法 | 本人確認の特徴 |
|---|---|
| 店舗買取 | 相手方と対面して確認できる |
| 宅配買取 | 非対面取引に対応した確認が必要 |
古物営業法では、古物を買い受ける際に、原則として取引相手方の住所・氏名・職業・年齢などを確認する必要があります。
ただし、非対面取引では、単に相手方から氏名や住所を入力してもらうだけでは十分ではありません。
本人になりすました第三者との取引を防ぐため、法令で定められた確認方法を利用する必要があります。
宅配買取で必要な非対面取引の本人確認
大阪府警察は、非対面取引について、運転免許証のコピーを送ってもらうだけでは不十分であると案内しています。
例えば、次のような運用だけでは注意が必要です。
- 免許証の画像をLINEで送ってもらうだけ
- 本人確認書類をメールで送ってもらうだけ
- 氏名と住所をフォームに入力してもらうだけ
- 商品が届いたら本人確認なしで代金を振り込む
これらの方法だけでは、申告された氏名や住所が本当に取引相手方のものなのか、十分に確認できない場合があります。
宅配買取を開始する際は、商品を受け取る流れだけでなく、本人確認の仕組みを事前に整えることが重要です。
宅配買取で認められる本人確認方法の例
古物営業法では、非対面取引に対応するため、複数の本人確認方法が定められています。
ここでは、警察が公表している方法の一部を紹介します。
① 印鑑登録証明書と押印書面を利用する方法
相手方から印鑑登録証明書と、その登録印を押印した所定の書面の交付を受ける方法があります。
例えば、住所・氏名・職業・年齢を記載した買取申込書に登録印を押印してもらい、印鑑登録証明書とともに提出してもらう方法です。
実際には、法令上の要件を満たす書類の組み合わせが必要です。
② 本人限定受取郵便を利用する方法
相手方に本人限定受取郵便等を送付し、その到達を確かめる方法も認められています。
例えば、本人限定受取郵便で受付票などを送り、到達確認を行う方法です。
なお、通常の簡易書留と本人限定受取郵便は同じものではありません。
③ 電子署名などを利用する方法
法令上の要件を満たす電子署名や電子証明書を利用する方法もあります。
ただし、単にオンラインフォームへ氏名を入力したり、身分証の写真をアップロードしたりするだけでは足りません。
外部の本人確認サービスを導入する場合も、そのサービスが古物営業法で認められた確認方法に対応しているかを確認しましょう。
本人確認方法は自社の運営方法に合わせて選ぶ
宅配買取サービスでは、申込受付、商品発送、査定、本人確認、代金支払いまでの流れを設計する必要があります。
利用する本人確認方法によって必要な手順が異なるため、運営開始前に管轄警察署へ確認することをおすすめします。
1万円未満の宅配買取なら本人確認は不要?
古物営業法には、一定の少額取引について本人確認義務の例外があります。
しかし、すべての1万円未満の取引が対象になるわけではありません。
物品の種類や取引内容によっては、1万円未満でも本人確認が必要になります。
また、18歳未満の者からの買取に関する確認や、都道府県の青少年保護に関する条例にも注意が必要です。
「買取価格が安いから本人確認は不要」と一律に判断することは避けましょう。
宅配買取でも営業所は必要?
宅配買取だけを行う場合でも、古物商許可申請では営業所に関する情報を届け出る必要があります。
例えば、自宅を事務所として運営する場合は、その場所が営業所として認められるかを確認します。
賃貸物件で営業する場合は、賃貸借契約の用途制限などにも注意が必要です。
また、商品を保管する倉庫や別拠点がある場合は、その施設の利用実態によって営業所としての届出が問題になることがあります。
ホームページでの許可情報の表示
インターネット上で古物の取引を行う場合は、ホームページ等での許可情報の表示についても確認が必要です。
主に、次の情報が関係します。
- 古物商の氏名または名称
- 許可を受けた公安委員会の名称
- 古物商許可証の番号
また、固定のURLを利用して古物取引を行う場合には、URL届出が必要となる場合があります。
URL届出とホームページ上の許可情報の表示は、別の義務として整理しておきましょう。
宅配買取を始める前のチェックポイント
- 古物商許可を取得しているか
- 取り扱う中古品の区分は適切か
- 営業所の所在地と利用実態に問題はないか
- 法令に対応した非対面本人確認方法を準備しているか
- 本人確認・取引記録を管理する仕組みがあるか
- ホームページ上の許可情報表示を確認したか
- URL届出が必要な営業形態か確認したか
- 商品発送・査定・返送時のトラブル対策を整えているか
特に、本人確認方法は宅配買取サービスの運営に直接関係するため、開業前に具体的な流れを決めておくことが大切です。
よくある質問
Q1. 宅配買取だけなら古物商許可は不要ですか?
いいえ。中古品を業として買い取り、再販売する場合は、宅配買取だけであっても原則として古物商許可が必要です。
Q2. 運転免許証の写真を送ってもらえば大丈夫ですか?
いいえ。免許証のコピーや画像を送ってもらうだけでは、原則として法令上の非対面本人確認として不十分です。
Q3. LINEで本人確認を完結できますか?
LINEで情報を受け取るだけでは足りません。法令で定められた本人確認方法に対応しているかが重要です。
Q4. 法人から買い取る場合も本人確認が必要ですか?
はい。法人との取引でも、取引担当者の確認などが必要になります。法人に関する書類も含め、適切な方法で確認してください。
Q5. 宅配買取とネット販売を両方行えますか?
可能ですが、古物商許可の内容、取扱品目、URL届出、表示義務などを確認する必要があります。
まとめ|宅配買取は本人確認の仕組みが重要
宅配買取は、全国から中古品を買い取ることができる営業方法ですが、古物商許可だけでなく、非対面取引に関する本人確認義務を守る必要があります。
特に、運転免許証のコピーを送ってもらうだけでは不十分である点は重要です。
宅配買取を始める際は、営業所、取扱品目、本人確認、取引記録、ホームページの表示などをまとめて確認しましょう。
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申請書・略歴書・誓約書の作成を行政書士が担当し、大阪府内では警察署への申請代行にも対応しています。
書類作成プラン:11,000円(税込)
※警察署への申請手数料19,000円は別途必要です。
※宅配買取システムの構築や本人確認システムの提供は、書類作成プランには含まれません。
