古物商許可に違反するとどうなる?無許可営業・届出忘れ・義務違反の罰則を解説

「古物商許可を取らずに中古品を販売するとどうなる?」

「古物商許可を取得した後、変更届を出し忘れたら罰則はある?」

「メルカリやヤフオクで中古品を仕入れて販売しているけれど、法律違反にならないか心配」

このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

古物商許可は、中古品の売買など一定の古物営業を行うために必要な許可です。

許可が必要な営業を無許可で行った場合には、刑事罰の対象となる可能性があります。

また、古物商許可を取得していても、変更届の提出、取引相手の本人確認、取引記録の作成・保存など、古物営業法で定められた義務を守らなければなりません。

古物営業法違反には、違反内容に応じて懲役刑・罰金刑などの刑事罰や、営業停止・許可取消しなどの行政処分が設けられています。

この記事では、古物商許可に関する代表的な違反行為、罰則、違反に気付いた場合の対応方法を、大阪で古物商許可申請をサポートする行政書士が解説します。


目次

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古物営業法に違反するとどうなる?

古物営業法では、盗品などの売買を防止し、被害品の早期発見を図るため、古物商にさまざまな義務を定めています。

違反した場合の対応は、その内容や状況によって異なります。

主な違反とその影響

違反の例 考えられる影響
必要な許可を取得せず古物営業を行う 無許可営業として刑事罰の対象
変更届を提出しない 届出義務違反として刑事罰の対象となる可能性
必要な本人確認を行わない 刑事罰や行政処分の対象となる可能性
必要な取引記録を作成・保存しない 刑事罰や行政処分の対象となる可能性
営業停止命令に違反する 刑事罰の対象

すべての違反が直ちに許可取消しにつながるわけではありませんが、違反の内容によっては重大な問題になります。

古物商許可を取得する前だけでなく、取得した後も法令を守って営業することが大切です。


古物商許可を取得せずに営業した場合の罰則

古物営業法第3条では、古物商を営もうとする者は、公安委員会の許可を受けなければならないと定めています。

必要な許可を取得せずに古物営業を行った場合、無許可営業となります。

無許可営業の法定刑は、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、あるいはその両方です。

例えば、次のようなケースでは古物商許可が必要となる可能性があります。

  • 中古ブランド品を買い取って販売する
  • 中古ゲーム機を継続的に仕入れて転売する
  • 中古トレーディングカードを仕入れて販売する
  • 中古品を仕入れてネットショップで販売する
  • 中古品を仕入れて海外向けに販売する

ただし、中古品を販売する行為がすべて古物営業法上の許可対象になるわけではありません。

自分で使用していた不用品を売却する場合など、取引の内容によっては許可が不要なケースもあります。

古物商許可が必要かどうかについては、次の記事でも詳しく解説しています。

古物商許可は必要?不要?取得が必要なケースを解説


メルカリやヤフオクでも無許可営業になる?

はい。メルカリやヤフオクなどのインターネットサービスを利用していても、古物営業法の適用を受ける場合があります。

重要なのは、どのサービスを利用しているかだけではなく、どのような目的で、どのような取引を行っているかです。

例えば、家庭内の不用品を処分する場合と、中古品を仕入れて反復継続して販売する場合では、判断が異なります。

インターネット販売だから古物商許可が不要というわけではありません。


古物商許可を後から取得すれば過去の無許可営業は問題ない?

いいえ。後から古物商許可を取得したとしても、過去に行った無許可営業が当然に適法になるわけではありません。

許可が必要な営業をすでに行っている可能性がある場合は、取引内容を整理したうえで、管轄警察署などへ相談することが大切です。

また、古物商許可を申請しただけでは営業を開始できません。

許可が必要な古物営業は、公安委員会の許可を受けてから開始する必要があります。


古物商許可の変更届を忘れた場合の罰則

古物商許可は一度取得すれば終わりというものではありません。

許可取得後に氏名や住所、営業所などの届出事項が変わった場合は、必要な変更手続きを行わなければなりません。

例えば、次のようなケースです。

  • 引っ越しをして自宅住所が変わった
  • 結婚によって氏名が変わった
  • 営業所を移転した
  • 新しい営業所を追加した
  • 営業所の管理者が変わった
  • インターネット販売に関する届出対象のURLが変わった

古物営業法第7条に基づく変更届出を怠った場合などは、10万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

ただし、届出を忘れたからといって、必ず罰金が科されるわけではありません。

違反の内容や状況によって判断されます。


住所・氏名変更の届出期限

個人の古物商が住所や氏名を変更した場合は、原則として変更の日から14日以内に届出が必要です。

また、許可証の記載事項が変わる場合は、許可証の書換申請も必要になります。

結婚や引っ越しなどで変更が生じた場合は、忘れずに手続きを行いましょう。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

古物商許可を取った後に氏名・住所が変わったら?引っ越し・結婚時の変更手続きを解説


営業所を移転する場合は事前届出に注意

営業所の所在地を変更する場合は、原則として変更日の3日前までに事前届出が必要です。

自宅を営業所として登録している方が引っ越す場合は、特に注意しましょう。

引っ越しが終わってから住所変更の届出をするだけでは、営業所の事前届出義務を満たさない場合があります。


本人確認義務に違反した場合の罰則

古物商は、古物を買い受ける際など、法令で定められた取引について、取引相手の本人確認を行う義務があります。

本人確認が必要な取引で適切な確認を行わなかった場合は、古物営業法第15条第1項違反となる可能性があります。

本人確認義務違反の法定刑は、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。

例えば、次のようなケースでは注意が必要です。

  • 本人確認が必要な中古品の買取で確認を行わなかった
  • ネット取引で法令上認められた方法による本人確認をしていなかった
  • 必要な確認を行わないまま取引を進めた

ただし、すべての古物取引について同じ本人確認義務が課されるわけではありません。

取引金額や古物の種類、取引形態などによって取扱いが異なります。


1万円未満の取引なら本人確認は不要?

古物営業法では、原則として対価の総額が1万円未満の取引について、本人確認義務が免除される場合があります。

しかし、一定の品目については例外があり、1万円未満でも本人確認が必要です。

また、2026年には金属盗対策のため、一部の金属製物品についても本人確認などの取扱いが強化されています。

「1万円未満だから必ず本人確認不要」と判断しないようにしましょう。

特にインターネットで中古品を仕入れる場合は、取引方法に応じた本人確認のルールを確認することが重要です。


古物商の帳簿記録義務に違反した場合

古物商には、法令で定められた取引について、帳簿などに必要事項を記録する義務があります。

記録が必要な取引について記載を行わなかった場合や、虚偽の記録をした場合は、古物営業法第16条などに違反する可能性があります。

必要な帳簿記録を行わなかった場合などの法定刑は、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。

記録すべき事項には、取引年月日、古物の品目や数量、相手方に関する情報などがあります。

また、法令で定められた帳簿等は、原則として最終記載の日から3年間保存する必要があります。


帳簿は紙で作成しなければならない?

帳簿は、必ずしも紙で作成しなければならないわけではありません。

法令上の要件を満たす方法であれば、電磁的方法による記録も認められています。

ただし、Excelなどで管理する場合も、必要な記載事項を漏れなく記録し、適切に保存できるようにしておく必要があります。


古物商の標識を掲示していない場合は?

古物商には、営業所などの見やすい場所に、法令で定められた標識を掲示する義務があります。

また、一定の古物商には、ウェブサイト上で氏名または名称、公安委員会名、許可証番号を表示する義務もあります。

標識掲示義務などに違反した場合は、古物営業法第35条により、10万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

古物商許可を取得した後は、許可証を保管するだけでなく、営業所の標識やインターネット上の表示についても確認しましょう。


古物商許可が取り消されることはある?

古物営業法に違反した場合、刑事罰だけでなく、公安委員会による行政処分の対象となることがあります。

主な行政処分には、次のようなものがあります。

  • 指示処分
  • 営業停止命令
  • 古物商許可の取消し

古物営業法第23条では、一定の違反について公安委員会が必要な措置を指示できることが定められています。

また、同法第24条では、一定の要件に該当する場合に、許可の取消しや6か月以内の営業停止を命じることができるとされています。

ただし、すべての違反が直ちに営業停止や許可取消しにつながるわけではありません。

違反の内容や程度、営業への影響などを踏まえて判断されます。


営業停止命令に違反した場合は?

公安委員会から営業停止命令を受けたにもかかわらず、その命令に違反して営業を行った場合は、刑事罰の対象になります。

営業停止命令違反の法定刑は、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。

営業停止命令を受けた場合は、その内容と停止期間を正確に確認し、命令に従う必要があります。


古物営業法違反に気付いた場合はどうすればいい?

古物商許可が必要だと知らずに中古品を仕入れて販売していた場合や、変更届を出し忘れていた場合など、後から問題に気付くこともあります。

そのような場合は、問題を放置せず、状況を整理して適切に対応することが大切です。

① どのような取引や変更があったのか確認する

まずは、現在の営業内容や変更事項を確認しましょう。

  • どのような中古品を取り扱っているか
  • どこから仕入れているか
  • いつから取引を開始したか
  • 古物商許可を取得しているか
  • 許可取得後に変更した事項はないか
  • 本人確認や帳簿記録が必要な取引を行っていないか

取引履歴や関係書類を確認し、事実関係を整理することが重要です。


② 無許可営業の可能性がある場合は営業を見直す

古物商許可が必要な営業を無許可で行っている可能性がある場合は、許可が必要な取引を継続しないようにし、管轄警察署などへ相談しましょう。

許可を申請しただけでは、古物営業を開始することはできません。

また、後から許可を取得しても、それ以前の無許可営業が当然に適法になるわけではありません。


③ 変更届を忘れていた場合は速やかに確認する

氏名や住所、営業所などの変更届を提出していなかった場合は、管轄警察署に連絡し、必要な手続きを確認しましょう。

期限を過ぎている場合でも、放置するのではなく、変更日や変更内容を正確に伝えることが大切です。

なお、遅れて届出を提出したことで、過去の届出義務違反が当然になくなるわけではありません。


④ 必要に応じて専門家へ相談する

古物商許可の新規申請や変更届出などの書類作成については、行政書士へ相談することができます。

一方、刑事事件への対応や、警察による捜査への法的対応などについては、弁護士への相談が適切な場合があります。

状況に応じて、相談先を選びましょう。


古物商許可の違反・罰則についてよくある質問

Q1. 古物商許可なしでメルカリ販売をすると違法ですか?

メルカリで販売しているという理由だけで、直ちに違法になるわけではありません。

自分で使用していた不用品を売却する場合などは、古物商許可が不要なケースがあります。

一方、中古品を仕入れて販売する営業を行う場合は、古物商許可が必要になる可能性があります。

販売する商品や仕入れ方法などによって判断が異なるため、取引内容を確認することが大切です。


Q2. 古物商許可なしで販売していたことが発覚したら必ず逮捕されますか?

いいえ。無許可営業が疑われる場合でも、必ず逮捕されるわけではありません。

逮捕の必要性や刑事処分については、個別の事実関係などに基づいて判断されます。

ただし、無許可営業には刑事罰が設けられているため、軽く考えないようにしましょう。


Q3. 古物商許可の変更届を忘れたら許可は取り消されますか?

変更届を忘れたことだけで、必ず許可が取り消されるわけではありません。

ただし、届出義務違反として罰則の対象になる可能性があり、違反内容によっては行政処分の対象となることもあります。

提出忘れに気付いた場合は、速やかに管轄警察署へ相談しましょう。


Q4. 古物商許可を取得していれば、どんな中古品でも自由に販売できますか?

古物商許可を取得していても、すべての商品を無条件に取り扱えるわけではありません。

商品によっては、古物営業法以外の法令による規制が適用される場合があります。

また、古物営業法に基づく本人確認や帳簿記録などの義務も守る必要があります。


Q5. 本人確認や帳簿記録を忘れた場合は必ず罰金になりますか?

いいえ。義務違反があったからといって、必ず罰金が科されるわけではありません。

ただし、本人確認義務違反や帳簿記録義務違反には刑事罰が設けられています。

記録漏れなどに気付いた場合は、取引資料を保全し、必要に応じて管轄警察署や専門家へ相談しましょう。


Q6. 古物商許可を申請中なら中古品の仕入れを始めてもいいですか?

古物商許可の申請中であっても、許可が必要な古物営業を開始することはできません。

許可が必要な中古品の仕入れや買取などは、許可を受けてから開始しましょう。


Q7. 古物商許可の違反は行政書士に相談できますか?

古物商許可が必要かどうかの一般的な相談や、新規許可申請、変更届出などの書類作成については、行政書士へ相談できます。

ただし、刑事事件に関する弁護活動や、弁護士法で弁護士に認められている法律事務については、行政書士が対応できない場合があります。


古物営業法違反を防ぐためのチェックリスト

  • □ 古物商許可が必要な営業か確認している
  • □ 許可を取得してから営業を開始している
  • □ 氏名・住所・営業所などの変更届を適切に提出している
  • □ 必要な取引で本人確認を行っている
  • □ 帳簿などに必要な取引記録を残している
  • □ 法令で定められた期間、取引記録を保存している
  • □ 営業所に古物商の標識を掲示している
  • □ インターネット販売に必要なURL届出や表示義務を確認している
  • □ 盗品の疑いがある場合などの対応を理解している

古物商許可を取得するだけでなく、営業開始後も定期的に確認することをおすすめします。


まとめ|古物商許可の違反を防ぐために正しい手続きを

古物営業法には、無許可営業や届出義務違反、本人確認義務違反などに対する罰則が設けられています。

代表的な罰則をまとめると、次のとおりです。

違反内容 主な法定刑
無許可営業 3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
変更届出義務違反 10万円以下の罰金
本人確認義務違反 6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
帳簿記録義務違反 6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
営業停止命令違反 3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金

※上記は主な法定刑です。無許可営業や営業停止命令違反については拘禁刑と罰金が併科される場合があります。実際の処分は個別の事情によって異なります。

古物商許可は、取得すれば何をしてもよいというものではありません。

許可が必要な営業を始める場合は、事前に許可を取得し、許可取得後も必要な届出や取引上の義務を守ることが重要です。

古物商許可の取得を検討している方は、必要な書類や申請方法を事前に確認し、適切に手続きを進めましょう。


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